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飛行機で機内モードにしないとどうなる?罰金50万円になる境目

公開 読了 約12分
飛行機で機内モードにしないとどうなる?罰金50万円になる境目 図の中の文字: 命令無視で罰金、客室案内、禁止命令、罰金50万円、境目は命令後

機内モードにし忘れても飛行機は落ちないが法律で禁止されている

機内モードにし忘れても飛行機が墜落することはない。ただし航空法第73条の4で禁止されている行為に当たる。禁止命令に従わなければ50万円以下の罰金になる。

出典: 国土交通省「航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について」

この記事でわかること

  • 機内モードにしないとどうなるか
  • 注意で済む場合と罰金50万円になる場合の境目
  • Bluetooth・モバイルバッテリーの航空会社ごとの違い
  • 日本と米国のルールの違い

国内6社の電子機器ルールを公式ページで調べた

飛行機の神様編集部がANA・Peach・ジェットスター・スカイマーク・スターフライヤー・ソラシドエアの公式ページを1社ずつ読んで電子機器のルールを比べた。基本の決まりは国土交通省の告示で全社共通だ。違いが出るのはBluetoothの書き方とモバイルバッテリーの扱いだった。

6社の公式ページに書かれた電子機器の独自ルールをまとめた。

航空会社 Bluetooth 独自の決まり
ANA 常時使用可と明記 機内WiFi対応の機材がある
Peach 常時使用可と明記 VHFスキャナー受信機を独自に使用禁止
ジェットスター 出力100ミリワット以下は可 離着陸時にノートPCやiPadを座席の下か棚に収納
スカイマーク 常時使用可と明記 航空機外のWiFiへの接続を明示的に禁止
スターフライヤー 常時使用可と明記 モバイルバッテリーは使用しない(機内USBを使う)
ソラシドエア 常時使用可と明記 モバイルバッテリーの充電は双方向とも禁止

出典: 各社の公式ページ(2026年9月17日に確認)。共通のルール(ドア閉鎖から滑走終了まで通信用電波の発信禁止)は省いた

どの会社でもBluetoothイヤホンやBluetoothマウスは常時使える。出力100ミリワット以下の機器は国土交通省の告示で制限の対象から除かれている。

出典: ANA「電子機器の使用制限(国内線)」

大きく違ったのはモバイルバッテリーの扱いだ。スターフライヤーは「モバイルバッテリーは使用しないでください」と書いている。ソラシドエアは「モバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしない」「機内電源等からモバイルバッテリーへの充電は禁止」の2つを書いている。ほかの4社は電子機器のページにモバイルバッテリーの特別な制限を書いていなかった。

出典: スターフライヤー「機内でのお願いとご注意」ソラシドエア「機内でのお願い」

電波が航空機の計器や通信に干渉する可能性がある

機内モードが必要な理由はスマートフォンやパソコンが出す電波にある。通信用の電波が航空機の通信システムや計器に干渉する可能性があるため国土交通省は使用を制限している。航空法施行規則第164条の16が根拠だ。

出典: 国土交通省「航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について」

禁止されているのは「通信用の電波を発信する状態」の電子機器だ。つまり電波を止めれば使える。機内モードにして電波の発信を止めた状態のスマートフォンやパソコンは常時使える。

ANAの公式ページでは「電波を発信しない状態(設定)にするか、電源をお切りください」と案内している。機内モードに対応していない機器は電源を切る。トランシーバーや無線操縦玩具がこれに当たる。

出典: ANA「電子機器の使用制限(国内線)」

この規制のきっかけは1961年にさかのぼる。米国FAAがFM受信機が航空機の通信と計器に干渉すると判明したことが規制の始まりだった。

出典: FAA Advisory Circular 91.21-1D「Use of Portable Electronic Devices Aboard Aircraft」(PDF)

現在の航空機は電波への耐性が高くなっている。だからといってルールが無くなったわけではない。日本では航空法で一律に禁止されていて「安全に使えるから」という理由で個人が判断してよい仕組みにはなっていない。

制限されるのはドアが閉まってから着陸後の滑走が終わるまで

機内モードに設定するタイミングは「飛行機のドアが閉まった時」から「着陸後の滑走が終了する時」までだ。この時間帯に通信用の電波を出す機器は使えない。

ANAは「飛行機のドアが閉まりましたら、電波を発信しない状態(設定)にするか、電源をお切りください。客室乗務員がアナウンスにてお知らせいたします」と書いている。

出典: ANA「電子機器の使用制限(国内線)」

着陸後に滑走が終わると客室乗務員からアナウンスがある。このアナウンスのあとに通常の設定に戻してよい。搭乗中やゲートにいるときは通常の状態で使える。

ジェットスターの公式ページにはフライトの各段階で何が使えるかの表が載っている。

場面 電波を出す機器 機内モードの機器
ゲート・搭乗中 使える 使える
ドア閉鎖後 使えない 使える
離陸・飛行中・着陸 使えない 使える
着陸滑走終了後 使える 使える

出典: ジェットスター「機内での携帯電話/電子機器の使用について」

ポイントは「ドア閉鎖」と「滑走終了」の2つだ。離陸から着陸まで全部が制限時間のように思えるが実際には地上走行中も含まれる。ドアが閉まった瞬間から制限が始まる。

ジェットスターは離着陸の際にノート型パソコンやiPadなどの大きめの電子機器を座席の下か頭上の棚に収納するよう案内している。機内モードに設定していても離着陸時は手元に置けない。保安上の理由と緊急脱出時の妨げにならないためだ。

出典: ジェットスター「機内での携帯電話/電子機器の使用について」

ANAは「機長が安全運航に支障があると判断した場合、使用可能な時期であってもご使用をお控えいただく場合がございます」と書いている。使用が認められている時間帯でも機長の判断で制限される場合がある。ペースメーカーなどの医療機器を使っている人が近くにいる場合も同じだ。

出典: ANA「電子機器の使用制限(国内線)」

機内モードか電源オフかの判定。機内モードに対応しているか?。電波を出す機器か?。機内モードにする。スマホやパソコンはこれ。電源を切る。トランシーバーやラジコン。そのまま使える。カメラや有線イヤホン。ただし Bluetoothは出力100ミリワット以下で常時使える。飛行機の神様が作ったイラスト図解(はい/いいえの判定)

Bluetoothとモバイルバッテリーの決まりは航空会社で違う

Bluetoothの接続はどの航空会社でも常時使える。ANA・Peach・スカイマーク・スターフライヤー・ソラシドエアの5社は公式ページに「Bluetooth接続は常時使用可」と明記している。ジェットスターは「出力100ミリワット以下のものは除く」という書き方で実質的にBluetoothを含めている。

出典: スカイマーク「電子機器の使用制限」

ANAは「機器同士のBluetooth接続(ワイヤレスマウス、ワイヤレスヘッドホン、医療機器等)やWi-Fi接続(電子ゲーム機等)は常時ご使用になれます」と書いている。ワイヤレスイヤホンもワイヤレスマウスも機内モードのまま使える。

出典: ANA「電子機器の使用制限(国内線)」

ただしモバイルWi-Fiルーターや公衆無線LANへの接続は使えない。ANAは「無線通信の対象が航空機外とならない場合に限る」としている。自分のモバイルルーターで通信するのは航空機外との接続に当たるため禁止だ。

スカイマークも「航空機外の設備との無線通信(Wi-Fi接続)は禁止されています」と明記している。機器同士のWi-Fi接続(ゲーム機同士など)は使えるが航空機の外につなぐことはできない。

出典: スカイマーク「電子機器の使用制限」

各社の公式ページから。電子機器の独自ルールは会社で違う。ANA。機内WiFi対応機材がある。Bluetooth常時可。スターフライヤー。バッテリーは使わない。機内USBで充電。ソラシドエア。バッテリー充電は禁止。双方向とも使えない。Peach。VHFスキャナー禁止。Bluetooth常時可。Bluetoothイヤホンは各社とも使える。飛行機の神様が作ったイラスト図解(実アイコンの横並びカード)

モバイルバッテリーの扱いが大きく違う会社が2つある。スターフライヤーは「モバイルバッテリーは使用しないでください。電子機器への充電が必要な際は機内備え付けのUSBポート/電源をご利用ください」と書いている。機内にUSBポートと電源が備わっているのでそちらを使う形だ。さらに「機内電源からモバイルバッテリーへの充電は禁止されています」とも書かれている。

出典: スターフライヤー「機内でのお願いとご注意」

ソラシドエアは方向を問わず充電を禁止している。「機内でモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしない」「機内電源等からモバイルバッテリーへの充電は禁止」の2つだ。持ち込み自体はできるが「ケースや収納袋に入れ、ショートしないように個々に保護する」「座席上の収納棚には収納せず、シートポケットなどの手元に保管する」という決まりもある。

出典: ソラシドエア「機内でのお願い」

Bluetoothイヤホンの対応機種や使い方の詳しいルールはワイヤレスイヤホンは飛行機に持ち込みOK?機内使用の注意点を解説でまとめている。

機内モードのし忘れを防ぐには3つの方法がある

  1. 搭乗前に機内モードをオンにしておく。ドアが閉まってからあわてて設定するのではなく座席に着いた時点で切り替える
  2. キッズ携帯は「完全電源OFF」機能を使う。一部の機種は電源を切っても定期的に電源が入り電波を出す。搭乗前に「完全電源OFF」操作をするか「電源OFF通知設定」をオフにする
  3. 預ける荷物の中の電子機器はあらかじめ電源を切る。ANAは「お預けになる手荷物のなかに電子機器を入れる場合には、あらかじめ電源をお切りください」と案内している

PeachはNTTドコモ・au・Softbankのお子様向け携帯電話について「本体の電源が切れている状態でも電源OFF通知設定が設定されている場合、定期的に電源が入り電波を発する状態となることがあります」と注意を出している。

出典: Peach Aviation「セキュリティ」

ジェットスターも同じ内容を「キッズ携帯など、電源を切っていても、定期的に電源が入り、位置情報などを送信する機能がある機種は、ご搭乗前に完全電源OFF機能を使用するか、あらかじめ設定を解除した後、主電源をお切りください」と書いている。

出典: ジェットスター「機内での携帯電話/電子機器の使用について」

子どもに持たせているスマートフォンやタブレットで使えるアプリは飛行機で子供が飽きない遊べるアプリ10選!年齢別のおすすめでまとめている。機内モードにしてもオフラインで動くアプリなら使える。

機内モードにしないとまず注意されて最悪は罰金50万円になる

機内モードにし忘れていきなり罰金になるわけではない。段階がある。

段階 何が起きるか 根拠
最初 客室乗務員が口頭で設定を案内する 各社の安全案内
機長が禁止命令を出す 航空法第73条の4
最後 50万円以下の罰金 航空法第150条

出典: 国土交通省「航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について」

国土交通省は「悪質な場合は、機長による禁止命令を即交付」としている。つまり最初の注意で従えばそれで終わりだ。罰金になるのは禁止命令を出されたうえでさらに従わなかった場合に限られる。

出典: 国土交通省「航空機内安全阻害行為等の禁止」

電子機器の使用は安全阻害行為8類型の1つだ。ほかには化粧室での喫煙や乗務員の業務妨害がある。この法律は日本の航空会社だけでなく外国の航空会社にも日本の領土と領空で適用される。

スターフライヤーの公式ページには「警察当局への通報や待機要請、拘束や目的地以外への臨時着陸などの措置をとることもあります」と書かれている。罰金の手前でも強い対応が取られる可能性がある。

出典: スターフライヤー「機内でのお願いとご注意」

Peachは「違反した場合、50万円以下の罰金が科せられることがあります」とし航空法第150条を根拠にしている。各社とも同じ法律に基づいているため罰則の内容は変わらない。

出典: Peach Aviation「セキュリティ」

機内WiFiなら機内モードのままネットにつながる

機内モードにするとインターネットが使えなくなると思われがちだが機内WiFiに対応した機材なら話は別だ。ANAの公式ページには「機内無線LANシステムを装着している機材では、必ず電波を発信しない状態(設定)に設定したうえでご使用ください」と書かれている。

出典: ANA「電子機器の使用制限(国内線)」

手順は簡単だ。まず機内モードに設定する。次にWiFiだけをオンに戻して機内のWiFiネットワークに接続する。こうすれば携帯電話の電波は出さずに機内WiFi経由でインターネットが使える。

ただし自分のモバイルWi-Fiルーターは使えない。ANAは「モバイルWi-Fiルーターや公衆無線LAN等への接続はご利用になれません」としている。接続先が航空機外になるためだ。

スターフライヤーは「電子機器への充電が必要な際は機内備え付けのUSBポート/電源をご利用ください」と案内している。機内の電源を使えばモバイルバッテリーを持ち込まなくてもスマートフォンの電池切れを防げる。

出典: スターフライヤー「機内でのお願いとご注意」

パソコンを機内モードにしたまま使いたい人は飛行機にパソコンは持ち込んでも大丈夫?疑問や注意点を解説!で持ち込みサイズや充電の決まりをまとめている。

電子機器以外の持ち込み制限は持ち込み早見表で品目ごとに確認できる。電池・電子機器に関する14品目をまとめている。

米国FAAのルールは1961年に始まって日本とは運用が違う

米国の電子機器規制は1961年に始まった。FAAがFM受信機が航空機の通信と計器に干渉すると判明したことがきっかけだ。現在は14 CFR §91.21でPED(携帯型電子機器)の使用を規制している。

出典: FAA Advisory Circular 91.21-1D「Use of Portable Electronic Devices Aboard Aircraft」(PDF)

日本と米国で大きく違うのは運用の仕組みだ。

項目 日本(航空法) 米国(FAA)
根拠 航空法第73条の4 14 CFR §91.21
罰則 50万円以下の罰金 運航者の判断で制限
規制の始まり 国土交通省の告示で一律に規制 1961年にFM受信機の干渉で開始

出典: 国土交通省、FAA AC 91.21-1D

日本は航空法で一律に「通信用の電波を出す機器の使用を禁止」している。一方の米国は運航者(航空会社)が自社の機材で電子機器の影響を調べて「安全に使える」と判断すれば使用を許可できる仕組みだ。日本では乗客が個人の判断で「大丈夫だろう」と決めてよい余地はない。法律で禁止されている行為だと理解しておくことが大切だ。

飛行機の機内モードでよくある疑問に答える

Q. 飛行機で機内モードにしないとどうなるのか
A. 客室乗務員から設定を案内される。従わなければ機長が禁止命令を出す。禁止命令にも従わないと航空法第150条で50万円以下の罰金になる。飛行機が落ちることはないが法律で禁止されている。

Q. 機内モードと電源オフはどちらにすべきか
A. 機内モードに対応している機器は機内モードにすればそのまま使い続けられる。トランシーバーやラジコンなど対応していない機器は電源を切る。出力100ミリワット以下のBluetoothは機内モード中も使える。

Q. 機内モードにし忘れたら必ず罰金を取られるか
A. いきなり罰金にはならない。最初に客室乗務員が案内して従えばそれで終わりだ。罰金になるのは機長の禁止命令に従わなかった場合で50万円以下と定められている。

Q. 国内線でも機内モードは必要なのか
A. 必要だ。航空法第73条の4は国内線にも国際線にも適用される。ドアが閉まった時から着陸後の滑走終了まで通信用の電波を出す機器は使えない。国内線だから不要ということはない。

Q. Bluetoothイヤホンは飛行機の中で使えるか
A. 使える。ANA・Peach・スカイマーク・スターフライヤー・ソラシドエアの5社が公式ページでBluetooth接続は常時使用可と明記している。機内モードにしたままBluetoothだけオンにして使う。

Q. 飛行機の中でWiFiは使えるか
A. ANAは機内無線LANシステムを搭載した機材で対応している。機内モードに設定してから機内のWiFiに接続する。自分のモバイルWi-Fiルーターは航空機外の無線通信に当たるため使えない。

Q. 飛行機でスマートフォンの通話はなぜできないか
A. ドアが閉まってから着陸後の滑走終了までは通信用電波の発信が法律で禁止されている。滑走終了後もANAは「通話は周囲のお客様のご迷惑になりますのでお控えください」としている。

機内モードは法律の義務で忘れると罰金の対象になる

機内モードにし忘れても飛行機が落ちることはない。ただし航空法第73条の4で禁止されている行為で禁止命令に従わなければ50万円以下の罰金になる。制限される時間は「ドアが閉まってから着陸後の滑走終了まで」だ。

Bluetoothイヤホンやワイヤレスマウスは全社とも常時使える。モバイルバッテリーの扱いはスターフライヤーとソラシドエアで独自のルールがある。搭乗する航空会社の公式ページで確認しておくと安心だ。

客室乗務員の案内に従って機内モードに設定すればそれで済む。忘れていても案内された時点で設定すれば問題にはならない。

この記事が見た公式ページ

国土交通省と全日本空輸とスターフライヤーとソラシドエアなど9本の公式ページを実際に開いて書いています。数字と規定はここから取りました。

  1. 1国土交通省国土交通省「航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について」
  2. 2全日本空輸ANA「電子機器の使用制限(国内線)」
  3. 3スターフライヤースターフライヤー「機内でのお願いとご注意」
  4. 4ソラシドエアソラシドエア「機内でのお願い」
  5. 5アメリカ連邦航空局FAA Advisory Circular 91.21-1D「Use of Portable Electronic Devices Aboard Aircraft」
  6. 6ジェットスタージェットスター「機内での携帯電話/電子機器の使用について」
  7. 7スカイマークスカイマーク「電子機器の使用制限」
  8. 8ピーチ・アビエーションPeach Aviation「セキュリティ」
  9. 9国土交通省国土交通省「航空機内安全阻害行為等の禁止」

最終確認 2026年9月17日

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