台風が来ると飛行機はどれくらい欠航するのか
台風シーズンの8月は大手10社の定時運航率が77.2%まで下がる。12か月でいちばん低い。
台風が来ると飛行機は遅延や欠航が増える。ただし影響の大きさは月と航空会社で大きく変わる。この記事では国土交通省と気象庁の公表データをもとに台風と欠航の関係を数字で見る。
この記事でわかること
- 台風シーズンに定時運航率がどれだけ落ちるか
- 航空会社ごとの欠航率の差
- 台風で欠航したときの振替・払い戻し条件の違い
- 宿泊費と交通費を誰が負担するか
- 台風シーズンに備えてやっておくこと
台風シーズンの定時運航率は8月が77.2%でいちばん低い
定時運航率は予定どおりに出発できた便の割合を表す。この数字が低いほど遅れる便が多い。
国土交通省が公表している大手10社の合計を月別に見ると8月が77.2%で12か月の中でいちばん低い。いちばん高い6月の88.95%とは11.75ポイントの差がある。
8月と6月の定時運航率を並べると差がはっきりわかる。
| 月 | 定時運航率 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 6月 | 88.95% | 12か月でいちばん高い |
| 8月 | 77.2% | 12か月でいちばん低い |
出どころ:国土交通省「令和7年度国内輸送実績」(2026年7月28日公表)。対象は特定本邦航空運送事業者10社の合計
6月と8月の間に11.75ポイントもの開きがある。8月に定時運航率がここまで落ちる大きな原因は台風だ。次に気象庁の台風データを見る。
台風の接近数と上陸数は8月と9月に集中する
気象庁の平年値によると台風は年間で平均25.1個発生する。このうち日本に接近するのは11.7個で上陸するのは3.0個だ。
出典: 気象庁「台風の平年値」
接近数と上陸数が多い月を表にすると8月と9月に集中しているのがわかる。
| 月 | 発生数 | 接近数 | 上陸数 |
|---|---|---|---|
| 7月 | 3.7 | 2.1 | 0.6 |
| 8月 | 5.7 | 3.3 | 0.9 |
| 9月 | 5.0 | 3.3 | 1.0 |
| 10月 | 3.4 | 1.7 | 0.3 |
| 年間 | 25.1 | 11.7 | 3.0 |
出どころ:気象庁「台風の平年値」(1991〜2020年の30年平均)。接近は気象官署から300km以内に入った場合
8月と9月は接近数がどちらも3.3で並んでいる。上陸数は9月の1.0がいちばん多い。本土だけに限ると接近数は年間5.8で8月が1.6、9月が1.9になる。沖縄・奄美に区切ると年間の接近数は7.9で本土の5.8より多い。月別では8月が2.3でいちばん多く9月が2.0で続く。10月も1.1あるので沖縄方面では10月でも台風の影響が残る。奄美地方だけでも年間4.3の接近がある。
地方ごとの台風接近数にも大きな差がある。気象庁の平年値で主な地方を並べるとこうなる。
| 地方 | 年間の接近数 |
|---|---|
| 沖縄地方 | 7.7 |
| 伊豆諸島・小笠原諸島 | 5.4 |
| 九州南部 | 3.9 |
| 九州北部 | 3.8 |
| 東海 | 3.5 |
| 近畿 | 3.4 |
| 四国 | 3.3 |
| 関東甲信 | 3.3 |
| 中国 | 3.0 |
| 北陸 | 2.8 |
| 東北 | 2.7 |
| 北海道 | 1.9 |
出どころ:気象庁「台風の平年値」(1991〜2020年の30年平均)。接近は各地方の気象官署から300km以内に入った場合
沖縄地方は年間7.7回で北海道の1.9回の約4倍になる。那覇空港を発着する便は8月と9月に欠航が増えやすい。九州南部や東海も3.5回以上あるので台風シーズンに九州や東海方面へ飛ぶなら運航状況を早めに確認しておきたい。
年によって差も大きい。最近の上陸数を並べるとばらつきがよくわかる。
| 年 | 上陸数 | 特記 |
|---|---|---|
| 2026 | 2 | 9月9日時点の速報値 |
| 2025 | 3 | |
| 2024 | 2 | |
| 2023 | 1 | |
| 2022 | 3 | |
| 2021 | 3 | |
| 2020 | 0 | 上陸ゼロの年 |
| 2019 | 5 | |
| 2018 | 5 | |
| 2017 | 4 | |
| 2016 | 6 | 8月だけで4回 |
| 2004 | 10 | 統計史上最多 |
出どころ:気象庁「台風の上陸数」(2025年までの確定値と2026年の速報値)
2020年は上陸ゼロだったがその翌年の2021年には3回に戻った。2019年と2018年はどちらも5回の上陸があった。2017年は4回で7月から10月に1回ずつ散らばった。2016年は6回で8月だけに4回が集中している。台風が少ない年が続いても翌年に急増することがあるので毎年の備えが欠かせない。
出典: 気象庁「台風の上陸数」
台風の接近が多い8月と9月に定時運航率が落ちるのはこのデータからも読み取れる。次に遅延と欠航で天候が占める割合を見る。
遅延と欠航で天候が占める割合はまったく違う
遅延の理由と欠航の理由では天候が占める割合がまったく違う。ここを分けて見ないと台風の影響を見誤る。
まず遅延の理由を見る。大手10社の2025年度データではいちばん多い理由が「前の便の遅れ」で64.0%を占める。天候が原因の遅延は2.2%しかない。
前の便の遅れが64.0%を占めるということは1日の後半の便ほど遅れが積み重なりやすいことを意味する。台風が近づいた日に午後の便を予約していると前の便の遅れと台風の影響が重なって遅延が大きくなりやすい。
遅延の理由の内訳を並べるとこうなる。
| 遅延の理由 | 割合 |
|---|---|
| 前の便の遅れ | 64.0% |
| その他 | 29.8% |
| 機材の故障 | 4.0% |
| 天候 | 2.2% |
出どころ:国土交通省「令和7年度国内輸送実績」(2025年度・特定本邦航空運送事業者10社の合計)
遅延では天候は2.2%にすぎない。ところが欠航になると天候の割合は一気に上がる。JALの2025年度の欠航便数は4,316便で天候が理由のものはその51%を占めている。
遅延では前の便の遅れがいちばん多いが欠航の判断になると天候が大きな割合を占める。台風シーズンに欠航が増えるのはこのためだ。雨だけで欠航になるかどうかは「飛行機は雨でも飛ぶ?欠航になる雨と平気な雨の境目」で雨量ごとの境目を見られる。

欠航率は航空会社で0%から2.32%まで差がある
欠航率は航空会社ごとに大きく異なる。国土交通省が公表している令和8年1月〜3月のデータで大手10社のうち7社を低い順に並べた。
欠航率が低い航空会社と高い航空会社の差は2.32ポイントある。
| 航空会社 | 欠航率 |
|---|---|
| スプリング・ジャパン | 0.0% |
| スターフライヤー | 0.04% |
| ソラシドエア | 0.53% |
| スカイマーク | 0.61% |
| Peach | 0.76% |
| ジェットスター・ジャパン | 1.96% |
| 日本航空 | 2.32% |
出どころ:国土交通省「令和7年度国内輸送実績」(令和8年1月〜3月)。10社全体の欠航率は1.77%
この数字を見るときに気をつけたいのは対象の路線が会社ごとに違うことだ。路線の本数や就航先が異なるので単純な比較には適さない。たとえば離島路線が多い会社は天候の影響を受けやすく欠航率が上がりやすい。
それでも0%から2.32%まで差がある事実は台風シーズンに航空会社を選ぶ手がかりになる。遅延の少ない航空会社の詳しいランキングは遅延と欠航のデータで見られる。
台風で欠航したときの振替と払い戻しは航空会社で違う
台風など天候が理由の欠航では各航空会社とも振替か払い戻しを手数料なしで受けている。ただし条件は会社ごとに違う。
6社の公式サイトに書いてある条件を並べた。JALは公式サイトの該当ページから情報を取得できなかったため除いている。
| 航空会社 | 振替の条件 | 払い戻し | 天候の宿泊費 |
|---|---|---|---|
| ANA | 自社便。出発20分前まで | 1年30日以内。手数料なし | お客様負担 |
| スカイマーク | 自社同一区間。1回限り | 手数料なし。出発日から10日以内 | 記載なし |
| Peach | 他のPeach便。手数料無料 | 手数料無料 | 記載なし |
| ジェットスター | 後続の自社便 | 天候理由はバウチャーの場合あり | 原則負担なし |
| スターフライヤー | 自社便。1回限り。差額なし | 1年30日以内。手数料なし | お客様負担 |
| ソラシドエア | 自社便。1回のみ。前後7日以内 | 30日以内。手数料なし | お客様負担 |
出どころ:各航空会社の公式サイト(2026年9月16日時点)
6社とも天候理由の欠航では取消手数料を取っていない。ただしジェットスターは天候理由の払い戻しがフライトバウチャーになる場合がある。現金で戻るかバウチャーになるかは利用航空会社によって異なると公式サイトに書いてある。
ジェットスターの公式サイトにはクレジットカード払いで天候理由の場合はカードへの返金かフライトバウチャーかが利用航空会社によって決まると書いてある。機材故障など航空会社の責任の場合はカードへの返金になる。銀行口座への送金は15営業日ほどかかる。送金完了の通知は届かないので自分で口座を確かめる。
振替の回数もスカイマーク・スターフライヤー・ソラシドエアは1回限りと明記している。変更後の便がさらに欠航になった場合はあらためて振替を受けられる。
スカイマークは60分以上の遅延か欠航が対象になる。大人普通運賃・小児運賃・障がい者割引運賃で予約していれば変更後の運賃が高くなっても差額を取らない。それ以外の割引運賃では差額の調整がないと公式サイトに書いてある。航空券の有効期間内に搭乗できないときは有効期間満了日の翌日から30日間延長できる。
ソラシドエアの振替は予約便の出発日の前後7日以内の自社便に限られる。手数料も差額もかからない。振替の対象になるのは原則30分以上の出発遅延でスカイマークの60分より基準が低い。ただし一度振替を受けたあとに自分の都合で取り消すと元の運賃に対して所定の手数料がかかるので注意が必要だ。
Peachは運賃の種類にかかわらず手数料無料で振替と払い戻しを受けられる。国内線では1時間以上の遅延が決まった時点で大幅遅延として扱われ欠航と同じ対応になる。国際線では2時間以上の遅延が基準だ。チェックイン開始後に大幅遅延が決まった場合は空港で案内される。
払い戻しの期限は会社によって10日以内から1年30日以内まで差がある。台風が来てからあわてないように自分が使う航空会社の条件を先に確かめておくとよい。
ANAは同一予約に往復や乗り継ぎなど2区間以上の予約がある場合は一部区間のみの払い戻しに制約がある。残りのすべての区間に搭乗したあとでなければ手続きできない。ソラシドエアの払い戻しは運賃の種類で期限が異なる。変更できる運賃なら有効期間満了日の翌日から30日以内で変更できない運賃なら出発予定日の翌日から30日以内だ。
台風の欠航では宿泊費と交通費は自分で負担する
台風など天候が理由の欠航で気になるのは宿泊費と交通費の負担だ。結論から言うと天候理由の場合はほとんどの航空会社が「お客様負担」としている。
ANAは「悪天候などが理由の変更に際し、発生した諸費用(交通費・宿泊費)はお客様負担となります」と明記している。
スターフライヤーも「予約便変更に際し、発生した諸費用(交通費・宿泊費)についてはお客様負担」と書いている。
出典: スターフライヤー「悪天候・その他の理由による遅延・欠航が発生した場合」
ジェットスターは「原則として、理由に関わらず、遅延・欠航に伴い発生する費用は負担いたしかねます」としている。ただし「特別な状況において、一部の費用を当社が定める範囲で補填させていただく場合があります」とも書いてある。
ジェットスターの「特別な状況」が具体的にどんな場合かは公式サイトに明示されていない。遅延や欠航が発生した際に空港とメールで補償内容を案内するとだけ書いてある。
一方で機材故障など航空会社の責任で欠航した場合は対応が変わる。ソラシドエアは機材故障ならANA・AIRDO・スターフライヤー・JALなど6社への振替ができる。宿泊費や交通費もソラシドエアが定める範囲で負担する。
ソラシドエアは機材故障の場合に限り航空機以外の定期公共交通機関への変更も受け付けている。新幹線やバスの乗車券と特急券の全額をソラシドエアが負担する。ただし出発空港から到着空港の区間に限られ台風など天候理由は対象外だ。
出典: ソラシドエア「お客様都合以外での変更・払い戻しについて」
つまり台風は天候理由なので宿泊費や交通費は自分で払うことになる。欠航がいつ決まるかがわかっていれば早めに動いて出費を抑えられる。前日から当日の判断の流れは「台風で飛行機の欠航はいつ決まる?」で読める。
台風シーズンに飛行機に乗るときはこの5つを備える
台風シーズンの8月と9月に飛行機に乗るときは次の5つを先にやっておくとよい。
- 出発の3日前から運航状況を確認する。各航空会社は台風の接近が見込まれると公式サイトに運航の見通しを出す。欠航が事前に決まれば早めに振替や払い戻しの手続きができる。
- 航空会社の公式アプリを入れておく。ジェットスターは公式サイトの運航状況ページ・メール通知・アプリのプッシュ通知・空港のモニターとアナウンスの4つの方法で遅延や欠航の情報を出している。アプリのプッシュ通知をオンにしておくと情報がすぐに届く。メールアドレスが正しく登録されていないと通知メールが届かないので予約時に確認しておくとよい。
- 1日の最初の便を選ぶ。遅延の理由でいちばん多いのは前の便の遅れで64.0%を占める。朝の最初の便なら前の便の遅れが積み重なっていないので遅れにくい。
- 変更できる運賃で予約する。スカイマークでは大人普通運賃・小児運賃・障がい者割引運賃なら変更後の運賃が高くなっても差額を取らない。変更しやすい運賃を選んでおくと台風のときに動きやすい。
- 代わりの移動手段を先に調べておく。欠航になってから探すと新幹線やバスもすでに満席になっていることがある。台風の進路が見えた時点で代わりの手段を調べておく。

欠航になったら使える代わりの移動手段がある
台風で飛行機が欠航になったときに使える代わりの移動手段は主に3つある。
- 新幹線:東京〜大阪や東京〜博多など主要区間は新幹線が代わりになる。台風の進路によっては新幹線も運休することがあるので運行情報を先に確認する。
- 高速バス:新幹線より時間はかかるが席が取りやすい場合がある。夜行バスなら翌朝に着けるので宿泊費を抑えられる。
- 翌日以降の便:台風は通過すれば運航が再開する。ANAもスターフライヤーも払い戻しの期限は1年30日以内なのでその間に振替便を取り直せる。スカイマークは出発予定日から10日以内に手続きする必要がある。
台風など天候が理由の場合はどの航空会社も他社便への振替は行っていない。自社便での振替か払い戻しのどちらかになる。ソラシドエアだけは機材故障に限ってANAやJALなど6社への振替ができるが台風は天候理由なので対象外だ。
台風の欠航でよくある質問をまとめた
Q. 台風が来ると飛行機はどれくらい欠航するか
A. 大手10社全体の欠航率は1.77%(令和8年1〜3月の国交省データ)。JALの2025年度の欠航4,316便のうち51%が天候による。台風シーズンの8月は定時運航率が77.2%まで下がる。
Q. 台風の欠航でキャンセル料はかかるか
A. 天候が理由の欠航では6社とも取消手数料を取っていない。ANAは旅行開始日から1年と30日以内に手続きすれば全額戻る。スカイマークは出発予定日から10日以内の手続きが必要。
Q. 台風で欠航したら他社の便に振り替えられるか
A. 天候が理由の場合は6社とも自社便への振替のみで他社への振替はしていない。ソラシドエアだけは機材故障の場合に限りANAやJALなど6社への振替ができる。
Q. 台風の欠航でホテル代は航空会社が出してくれるか
A. 台風など天候が理由の欠航ではANA・スターフライヤー・ソラシドエアとも宿泊費はお客様負担。ジェットスターも原則として費用を負担しない。機材故障の場合だけ一部の会社が負担する。
Q. 台風で欠航しやすい月はいつか
A. 台風の接近は8月と9月が平年値でどちらも3.3回あり年間でいちばん多い。定時運航率も8月が77.2%で12か月中いちばん低く6月の88.95%と11.75ポイントの差がある。
Q. 台風で飛行機が飛ばないとき前日にキャンセルできるか
A. 運航に影響が見込まれる便として欠航が事前に決まっていれば取消手数料はかからない。スカイマークは出発予定日から10日以内なら手続きできる。まだ欠航が決まっていなければ通常のキャンセル料がかかる。
台風シーズンの飛行機はデータを見て備える
台風シーズンの8月は大手10社の定時運航率が77.2%で12か月中いちばん低い。台風の接近数は8月と9月がどちらも3.3回で年間のピークになる。
欠航率は航空会社で0%から2.32%まで差がある。天候が理由の欠航では各社とも手数料なしで振替か払い戻しを受けられるが宿泊費は自己負担だ。
地方ごとの台風接近数は沖縄の年間7.7回から北海道の1.9回まで大きな差がある。出発地や到着地が台風の接近が多い地方なら備えをいっそう手厚くしておきたい。
台風シーズンに飛行機に乗るなら朝の便を選ぶこと・変更しやすい運賃で予約すること・代わりの移動手段を先に調べておくことが大事だ。数字を頭に入れておくだけで台風が来たときの判断が早くなる。
この記事が見た公式ページ
国土交通省とジェットスターと全日本空輸とスターフライヤーなど5本の公式ページを実際に開いて書いています。数字と規定はここから取りました。
- 1国土交通省国土交通省「令和7年度国内輸送実績」
- 2ジェットスタージェットスター「大幅な遅延・欠航時の対応について」
- 3全日本空輸ANA「悪天候などが理由の変更・払い戻し」
- 4スターフライヤースターフライヤー「悪天候・その他の理由による遅延・欠航が発生した場合」
- 5ソラシドエアソラシドエア「お客様都合以外での変更・払い戻しについて」
最終確認 2026年9月16日
