海外旅行をする時って、国内旅行に比べて様々な制限や行程がありますよね。
空港での税関も国際線ならではのものです。
「税関のルールって難しそう…。」
「引っかかったらどうしよう。」
なんて不安に思ったことはありませんか?
この記事では、税関について初心者の方にもわかりやすく解説していきます!
税関とは?
まずは税関の基本知識についてです。
違う国の物を持って帰ったり、持っていくのには様々な制限があります。
海外から日本に持ち込むには税金を払わなければいけない物や、持ち込みできない物が決まっているんです。
これは日本から外国へ行くときも同じです。
つまり、税関は大きく分けて以下の2つのことを確認する場所です。
- 免税範囲を超えているものを持っていないか
- 輸出入できないものを持っていないか
順番に説明していきます!
免税範囲を超えるものを持っていないか
旅行者に対して、決まった量までしか税金を払うことなく持って行ったり、持って帰ることができないものがあります。
この税金のことを関税と言い、関税が免除されることを免税と言います。
関税とは本来国や企業が物を輸出入する時にかかる税金ですが、個人でもあまり大量に持ち込むと輸出や輸入として扱われてしまうからです。
そのため、免税範囲を超えていないかが確認されます。
免税範囲が決まっているものは、お酒やタバコなどです。
詳しい制限量についてはのちほど解説しますね!
輸出入ができないものを持っていないか
テロや密輸などの犯罪を防ぐために、持ち込んではいけないものを持っていないかも確認されます。
麻薬探知犬はこの税関で活躍しているんですよ!
- 覚せい剤、麻薬、大麻、MDMAなどの不正薬物
- 児童ポルノ
- 銃
- 爆発物
- 紙幣や硬貨、クレジットカードなどの偽造品
- 偽ブランド品やDVD・CDの海賊版など、知的財産権を侵害する物品
上記のものを運んでしまった場合、罰金や逮捕、最悪の場合死刑になることもあります。
自らこれらを持ち込もうとする方は少ないと思います。
しかしよくあるのは、空港で「荷物を届けて欲しい」などと話しかけられ、麻薬や覚醒剤などが入ったカバンを渡されるケースです。
悪気がなく他人から預かった物でも犯罪となってしまいます。
「知らなかった」では済まないので、こういった手口があることを必ず頭に入れておいてください。
また、韓国や中国では本物そっくりな偽ブランド品が安く売られています。
これらを持って帰ることはできないので、必ず本物を買うようにしてくださいね。
日本の空港の税関の通り方
引用:財務省税関公式サイト
日本の空港では出国時と帰国時の2回、税関を通るタイミングがあります。
しかし、大体の人は帰国時のみだけでOKなんです。
その理由として、
- 帰国時に税関を通らなくてはいけない人→すべての人
- 出国時の税関を通らなくてはいけない人→100万円以上の現金・約束手形・小切手を持っていく人、外国製品を持ち出す人
と決まっているからです。
ほとんどの人は100万円も持って行くことはないですよね!笑
外国製品とは、腕時計やネックレス、指輪などのことです。
なぜこれらを持っている人は申告しなくてはいけないかというと、帰国時に外国で購入したものと区別できずに関税を課税される恐れがあるからです。
申告しておけば日本から持っていったものだと証明できる、ということです!
全ての外国製品を申告しなくてはいけない、というわけではありません。
- 20万円以上の物
- ロレックスなどの高級時計
- 使用感のあまりないブランドバッグ
- 宝石のついた指輪
これらは税関で引っかかりやすいものです。
特に高価でなければ申告する必要はありません。
大事なのは国際線を利用する全ての人が通らなくてはならない、帰国時の税関です。
帰国時の税関の通り方
税関の順番は、入国の直前です。
という流れです。
全員が税関で携帯品・別送品申告書(税関申告書)という紙を提出する必要があります。
引用:JAL公式サイト
1家族につき1枚、飛行機の中で渡されます。
友人との旅行の場合は1人1枚になります。
氏名や連絡先などの個人情報、便名、免税品の個数などを書きます。
飛行機の中で書いておくのがおすすめです!
着いてからでも書けなくはないですが、時間がなかったりするので余裕のある飛行機内で書いておきましょう♪
以前は免税範囲以上の物を持っている人だけが書くように言われていましたが、平成19年から全員書くことが義務付けられました。
税関のチェックが厳しくなっているのです。
この紙にも持ち込めないものや免税範囲が書いてあるのでよく読んでおきましょう。
税関では緑の検査台と赤の検査台の二種類に分かれています。
引用:税関公式サイト
- 緑の検査台→免税範囲を超えていない人
- 赤の検査台→免税範囲を超えている人、超えているかどうかわからない人
となっているので、ご自身の当てはまる方に進みましょう。
海外で買ったものはまとめておくと便利です。
海外から持ち帰った物品は、税関検査を受けやすいように、できるだけ1つにまとめてください。
領収書、カード利用控などは大切に保管し、すぐに出せるようにしておいてください。
引用:税関公式サイト
赤の検査台に進み、免税範囲を超えていた場合は税関内の銀行で関税を納付します。
税関は帰国者全員が通る必要があります。
何も買っていない場合、携帯品・別送品申告書を提出するだけで終わります。
出国時の税関の通り方
一部の方のみが通る必要のある出国時の税関についても解説します。
税関は保安検査の後に行われます。
チェックイン→保安検査→税関→出国審査→出国
外国製品を持ち出す方は、外国製品の持出し届を提出する必要があります。
引用:税関公式サイト
こちらの紙は税関に置いてあります。
名前と持ち出す品名や数量、ブランドなどを書きます。
帰国の際に提出する必要があるので、無くさないように気をつけてくださいね。
実物を見せることを要求される可能性があるので、申告する物はスーツケースに入れないようにしましょう。
海外の空港の税関の通り方
海外に着いた時も税関を通らなくてはいけません。
言葉の壁がある中での税関ってハードルが高そう!と思われるかもしれません。
この記事を読んで予習していけば大丈夫です(^-^)
税関は英語でcustomsと言います。
「Do you anything to declare? (何か申告する物を持っていますか?)」
と聞かれるので、特になければNoと答えればOKです。
英語でやりとりするのは大変なので、なるべく免税範囲を超えない程度に荷物をパッキングしましょう。
各国の税関申告書
英語で書かれた税関申告書って難しそう…と思われるかもしれません。
ですが心配ご無用です!!
JALの公式サイトで各国の税関申告書を事前に見ることができるんです。
引用:JAL公式サイト
上の画像はカナダのものですが、他の国の申告書ももちろんあります。
サイトには日本語訳も書かれているので、スクリーンショットなどをして機内でも見れるようにしておくのがおすすめです!
英語に自信がない方も安心ですね。
日本と同じように入国時に提出します。
また、旅行会社のツアーで行く場合、旅行会社に代理で作成してもらうこともできます。
手数料はかかってしまいますが、自分で書くのは不安!という方はこちらの方法を使ってみてはいかがでしょうか。
国によっては税関申告書が必要ない国もあります。事前に調べておきましょう。
各国特有の制限
国によって制限は異なります。
各国の税関申告書に書いてあるので渡航前に確認しましょう。
一部の国ですが例を紹介します!
シンガポール
シンガポールはガムや電子タバコを持ち込むことができません。
綺麗な町並みを保とうという意識が高い国であり、ガムは持ち込むだけで日本円にして100万円以上取られてしまうので気をつけましょう!
エジプト
ビデオカメラやパソコンなどの電子機器の持ち込みに対する制限が厳しいです。
持ち込めないわけではないのですが、税関に申告しないと密輸とみなされて課税されてしまいます。
アメリカ
肉類、果物、植物などの食品の持ち込みが禁止されています。
肉は生・乾燥に限らずだめなので、乾燥肉が入っているカップラーメンも持ち込めません。
日本の味が恋しくなるかも、、と日本から食料を持ち込みたくなる気持ちはとてもわかりますが、現地調達しましょう。
免税範囲
せっかくお土産を買ったのに、高い税金を取られてしまったら悲しいですよね。
日本に持って帰る際の免税範囲をしっかり覚えておきましょう。
以下は一人当たりの免税範囲です。
6歳未満の子供に関しては、おもちゃなど明らかに本人が使うもの以外は免税になりません。
合計20万円以内の品物
実はお土産は20万円までしか免税ではないのです。
気をつけて欲しいのは、1個の金額が1万円以上の物が20万円以内かどうかということです。
つまり、1万円以下のものは20万円の計算に含めなくて大丈夫です!
高価なお土産を沢山買いたい方はしっかり計算しましょう。
合計額が20万円を超える場合には、20万円以内におさまる品物が免税になり、その残りの品物に課税されます。
税関は、旅行者の皆さんに有利になるように、免税となる品目を選択の上、課税します。
引用:税関公式サイト
有利になるようにしてくれるのはありがたいですね!
お酒
3本まで、また1本あたりの容量は760mlまでと定められています。
海外のワインやビールを買いたいな〜なんて考える方は多いと思いますが、いくらでも持ち帰れるわけではないんです。
3本って意外と少ないですよね(^^;)
これを覚えていないと免税範囲を超えがちなので、意識してお土産を買うようにしましょう。
タバコ
タバコは種類によって免税範囲が変わります。
たばこの種類 | 免税範囲 |
---|---|
紙巻たばこ | 400本 |
葉巻きたばこ | 100本 |
加熱式たばこ | 20箱 |
その他のたばこ | 500g |
香水
免税範囲は2オンス(56ml)までとなっています。
オーデコロンやオードトワレは含まれないので、自分が買った物の種類を確認しておきましょう。
中には免税範囲を超えてでも、外国のお酒などをたくさん持って帰りたい!という方もいるでしょう。
品物によって税率が定められています。
品名 | 税率 |
---|---|
ウイスキー・ブランデー | 800円/リットル |
ラム・ジン・ウォッカ | 500円/リットル |
リキュール | 400円/リットル |
焼酎 | 300円/リットル |
ワイン・ビール | 200円/リットル |
たばこ | 13円/1本 |
その他の品物 | 15% |
関税は免税範囲を超えた分の容量に対してかかります。
つまり、ワインを4本買った場合、1本分のみ関税を払う必要があるということです。
まとめ
- 税関は免税範囲を超えたものや、輸出入が禁止されているものを持っていないか確認する場所。
- 税関申告書を入国時に必ず提出する必要がある。
- 高価な外国製品を日本から持って行くときは出国時も税関を通る必要がある。
- 免税範囲を超えてしまうと関税を払わなくてはいけない。
事前に免税範囲や、税関申告書に書かなくてはいけないことを知っておけば当日焦らなくて済みますね。
税関のルールに従って、ショッピングを楽しんでくださいね。
国際線に関するこちらの記事もぜひ読んでみてください!
これを読んでいただければ税関も簡単に通ることができますよ!