飛行機は電車やバスと違って、日常的に乗る乗り物ではないですし、必ず事前に座席を買う必要があるという少し特殊な乗り物です。
立ち乗りもできないので、乗れる人数も限られています。
そのため、あらかじめチケットを購入する方が多いかと思いますが、スケジュールの変更や、予期せぬ事態などで予約していた飛行機に乗れないとわかったらどうしましょう。
必ずキャンセルしないといけないのでしょうか。キャンセルしないとどうなるのでしょうか?
「当日、寝坊などで飛行機に間に合わない場合、キャンセルする必要ある?しないとどうなる?」
「変更・キャンセルができない航空券を購入したけど乗れなくなった場合、どうせお金は戻らないからキャンセルしなくてもいい?」
様々な疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。
予約はしたけど支払いはしていない航空券、キャンセルしないとどうなる?
航空券の予約後、料金を支払う前であればどの航空会社であっても国内線・国際線問わずキャンセル料はかかりませんので安心してください(^^)
また、支払い期限をもって自動解約となるため、キャンセルの連絡をする必要はありません。
この場合、支払い期限をもって全ての予約が無効となるため、航空券が必要な方は再度予約する必要があります。
支払い後は、出発までの日数によってキャンセル料が変わってくるチケットもあるので、キャンセルがわかった時点で連絡するようにしましょう。
また、キャンセル料の金額は航空会社によって変わってきますが基本的な考え方は同じです。
キャンセル料=取消手数料+払戻手数料 という内訳になっています。
取消手数料…チケット代の何%かを請求されます。出発前か出発後か、チケットの種類によって変わってきます。
払戻手数料…払戻を依頼する際にチケットの種類や時期にかかわらず一律でかかる手数料です。
出発当日、諸事情により予定の飛行機に乗れない!キャンセルしないとどうなる?
当日、寝坊や電車の遅延などで予定の飛行機に乗れないとなったら焦りますよね。
JALやANAなどのフルサービスキャリアの場合は、乗れないことがわかった時点ですぐに航空会社に連絡するようにしてください!
すぐ連絡していただきたい理由は以下の通りです(^^)
- 出発時刻の前と後ではキャンセル料が変わってくる。
- 出発後に連絡するとチケットの種類によっては全額取られることもある。
- 出発後だと予約変更ができる運賃でも当該航空券での他便への振り替えはできない。
- 航空会社にとっても連絡してもらった方が、他のお客様に席を販売できるので助かる。
チケットを購入する際に、細かいキャンセル規定を把握するのは面倒だと思うのですが、変更可能なチケットかということは把握しておいた方が良いです。
フルサービスキャリア(FSC)…従来型の旅客サービスを提供している航空会社。
基本的には、複数の座席クラス(ファースト・ビジネス・エコノミーなど)を提供し、機内食や飲料も予め運賃に含めて提供する。JAL、ANAなど。
ローコストキャリア(LCC)…効率化によって低い運航費用を実現し、低価格かつサービスが簡素化された航空輸送サービスを提供する航空会社。peach、ジェットスターなど。
予約していた飛行機に乗れなくなった際どうするのが良いのか、場面ごとに解説していきたいと思います(^^)
チェックイン前に乗れなくなった場合
「予約した航空券の便に乗りますよ」ということを航空会社に知らせるための手続き
【チェックインの方法】(航空会社により異なる)
- 空港の有人カウンター
- 空港のチェックイン機
- WEB
- アプリ
航空券を予約していた乗客がチェックインをしないままチェックインの締め切り時間が来てしまった場合、その席はキャンセル待ちの人に案内されますので注意してください。
(締め切り時間は、航空会社によりますが、国内線の場合は出発時間の20~30分前、国際線の場合出発時刻の60分前となっています。)
チェックイン前(WEBチェックインも含む)であれば特に連絡しなくても大丈夫です。
しかし、自分の損失を最小限にするため、航空会社のためにも、乗れないことが分かった時点で連絡して頂くことがベストな対処法です。
キャンセル手続きをしないとお金が一切戻ってこないので、飛行機に乗った時と同じだけの金額が自分の懐から消えます(^^;
どんなチケットでも出発前に連絡した方がキャンセル料が安く済み、損失が軽くなるのでなるべく連絡するようにしましょう(^^)
最悪、出発後であっても一部返金されるチケットもあるので出発後であっても確認することをおすすめします!
- 電話でのお問い合わせ
■JALマイレージクラブ会員
0570-025-022
03-5460-0311
■会員以外
0570-025-071
03-5460-0522
- チャット、メール、webサイトでの問い合わせ
- 電話でのお問い合わせ
■ANAマイレージクラブ会員
0570-029-767
03-6741-6683
受付時間:6:30~22:00(年中無休)
■会員以外
0570-029-222
03-6741-8800
受付時間:6:30~22:00(年中無休)
- チャット、メール、webサイトでの問い合わせ
https://www.ana.co.jp/ja/jp/site-help/share/contact/domestic_bookflight.html
キャンセル料や返金の受け取りについては公式サイトから確認するようにしましょう。
現在、コロナウィルスの影響で電話での問い合わせが混雑しているのでWEBで行うことをおすすめします。
ただし、WEBでの手続きは出発時刻20分前で締め切りとなります。
チェックイン後に乗れなくなった場合
- 空港にいる場合…航空会社の職員にその旨を伝えてください。
(WEBなどで自身でキャンセルすることも可能) - 空港にいない場合…WEBで予約を取り消すか電話で連絡するようにしてください。
チェックイン後ということは、すでに「予約した飛行機に乗ります」という意思表示をしていることになります。
チェックインした人数と飛行機に搭乗した人数が一致しない場合、呼び出しが行われます。
「○○航空、××便、△△行きにご搭乗予定の○○様。当機はお客様のご搭乗をお待ちしております。」
なんて空港中で呼ばれたくないですよね…。
自分も嫌ですし、航空会社やすでに乗っている他のお客さんにも迷惑をかけることになります。
搭乗しなかった人が荷物を預けていた場合、その荷物は飛行機から降ろして出発するのがルールなので空港内で受け取ることができます。
国際線の場合は、さらに出国取り消し手続きも必要です。
払い戻し不可能なチケットの場合、キャンセル連絡は不要?
ここまでフルサービスキャリア前提でお話を進めてきました。
では、LCCの場合どうなのでしょうか。
LCCの航空券はチケットの種類によりますが、一度予約が完了するとチケットのキャンセル(払戻し)ができないケースが多いです。
peachを例に解説したいと思います(^^)チケットの種類は3種類あります。
- シンプルピーチ
- バリューピーチ
- プライムピーチ
預け荷物、座席指定、フライトの変更などのオプションによって料金が変わってきます。
詳しいオプションの内容についてはpeach公式サイトをご覧ください。
ではそれぞれのチケットのキャンセル規定はどうなっているのでしょうか。
チケットの種類 | 取り消し/払い戻しについて | 取消手数料について |
---|---|---|
シンプルピーチ | 運賃・料金および手数料について払い戻しなし | 払い戻し不可 |
バリューピーチ | 運賃から取消手数料を差し引いた差額をピーチポイントで付与 (出発時刻の1時間前までに取り消しされた場合に限る) | 1,100円(1区間お一人様あたり) |
プライムピーチ | 運賃の全額をピーチポイントで付与 (出発時刻の1時間前までに取り消しされた場合に限る) | 不要 |
peachの運賃や料金、およびそれらに付随する税金や手数料の全額または一部の支払いにご利用いただけるポイントです。
peachだけではなく、LCCの場合1番安いチケットはキャンセル不可であることがほとんどです。
その場合、必ずしもキャンセルの連絡をする必要はありません。
しかしここで注意していただきたいことがあります。
航空会社によって約款に、ノーショウ(予約して連絡なしでキャンセル)は100ドル等記載されていることがあります。
キャンセルしない行為に対して、ペナルティはある?
大韓航空では2016年10月1日(発券日基準)より、事前にご予約の変更またはお取り消しのご連絡がなく、ご予約便に搭乗いただかなかった場合、ペナルティーチャージがかかるノーショー(No-Show)ペナルティ制度の運用を開始いたします。予約いただきました航空便をご利用されない場合は、事前にご予約の変更あるいはお取り消しを必ずお済ませいただくようにお願いいたします。
引用:大韓航空公式サイト
このように予約した便にならない場合、キャンセル連絡をしないと罰金を科す航空会社もあります。
これをノーショーペナルティ―、ノーショーフィーなどと言います。
予約をしたにも関わらず、実際には搭乗しないことです。
ホテルなどでも使われることがあります。
このような罰金を航空会社が設定した背景には航空券を放棄するという事象が増えているからです。
具体的な航空券の放棄の内容です。
- 往復で乗り継ぎを伴う航空券を購入し、復路の途中で放棄する
- 往復の航空券を購入し、復路を放棄する
- 片道で乗り継ぎを伴う航空券を購入し、途中で放棄する
- 購入したものの全区間を払い戻しせずに放棄する
航空券のキャンセルをせず、訴訟問題となった例
ルフトハンザ ドイツ航空が個人の男性客を訴えた。この穏やかでない話は一見ささいなことが原因だった。
この男性は2016年4月にオスロ(ノルウェー)→フランクフルト(ドイツ)→シアトル(アメリカ)→フランクフルト(ドイツ)→オスロ(ノルウェー)のビジネスクラスの航空券を657ユーロ(約8万2000円)で購入した(話題の本筋とは離れるがこれは極めて安い)。
そして、オスロ→フランクフルト→シアトル→フランクフルトと飛んだ後、最後の1区間であるフランクフルト→オスロで搭乗せずに、別の航空券を購入してフランクフルトからベルリンまで飛んだという。
ルフトハンザ ドイツ航空は最終区間に搭乗しなかった男性の行為が同社の利用規約に反するとして、購入金額の3倍以上にあたる2112ユーロ(約26万4000円)に利息を加えた額の損害賠償を請求した。2018年12月、ベルリンの地方裁判所は同社の訴えを退けたが、ルフトハンザ ドイツ航空はこれを不服として控訴している。
この例は先ほどご紹介した4つの中の「①往復で乗り継ぎを伴う航空券を購入し、復路の途中で放棄する」という行為にあたります。
このように安く目的地までたどり着くために乗る予定のない航空券まで購入する、という事象が多発してしまったのです。
これは航空会社の利益に関わってきます。1席空いてしまった席を正規運賃に近い価格で売りたいですよね?
このような問題に対しての制限がそれまでの航空会社の規定にはありませんでした。そのため、ノーショーフィーを設定する会社が出てきたのです。
現在の所、日系の航空会社でノーショーフィー設定している航空会社はありませんが、航空券を放棄するという行為はしないようにしましょう(^^)
ノーショーフィーの有無や詳しい内容については、各航空会社の規定を調べるようにしてください。
タイ国際航空やエアアジアなどでは設定されています。
まとめ
- 基本的に予約した飛行機に乗らないとわかったら、速やかに航空会社に連絡する。
- フルサービスキャリアに乗る場合は自分のためにも、航空会社のためにもキャンセル連絡をするのが良い。
- チェックイン後に乗るのを辞める場合は航空会社側に必ず知らせる。
- LCCでキャンセル不可の航空券や、キャンセルしてもほとんどお金が戻らない場合、キャンセル連絡することは必須ではないが可能な限り連絡した方が良い。
- 世界の航空会社の中には、予約して実際には乗らないことに対して罰金を科している航空会社もある。
キャンセル連絡をするのって正直面倒な時もありますよね?
格安航空券で大した金額が戻ってこないとわかったら、そういう気持ちになるのもわかります(^^;
今のところ、日系の航空会社でキャンセル連絡を入れないことには悪いことではありません。
また、わざと予約した飛行機に乗らずキャンセルしないのと、事情により乗りたかったのに乗れなかったというのでも全然話は変わってきます。
ただ、キャンセルの連絡を入れることで乗れる人が出てくるかもしれない!ということは少しだけ頭に入れておいていただけると嬉しいです(^^)
航空会社の利益が上がることで、皆さんにとってもっと世界が身近なものになると思います♪
飛行機は日常的に乗る乗り物ではないので、キャンセルに関しても様々な疑問や迷いがあると思います。
皆さんが正しい対応をできるような情報をお届けしていきたいと思います♪